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「HACCP」関連情報

【重要】HACCPの「7原則12手順」を分かりやすく解説!

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HACCPの「7原則12手順」のそれぞれのポイントや、従来の管理手法との違い、及びHACCPが必要とされる背景について解説します。HACCP導入の制度化に伴って対応を迫られている企業や、国際基準に対応するため管理手法について改めて見直したい企業の担当者には、特に参考になる記事です。

HACCP(ハサップ/ハセップ)の導入を進めていく際に、明確な基準となるのが「7原則12手順」です。これは、1993年にCodex(国際食品規格)委員会が示したものであり、HACCPの具体的な導入手順です。
今回は、HACCPの導入に際して知っておくべき7原則12手順の概要と、それが必要とされている背景について解説します。

HACCPの7原則12手順とは?

HACCPとは、製造の各工程で予測できる危害要因を分析し、それを効率よく管理できるポイントすなわち重要管理点で、その危害要因を除去・低減させるための管理を行う、食品衛生管理手法です。HACCPの構築の手順は「7原則12手順」として示されています。これは「7原則(手順)」と、7原則の前準備のための「5手順」から構成されています。流れがわかりやすいよう、「5手順」から紹介します。

7原則の前準備である、5手順

7原則を設定するために、準備として次の五つの手順を踏みます。

  • 手順1:HACCPチームの編成
    関連する全ての部署から、実務に精通する従業員を集めます。適切な衛生管理を行うためには、原材料や製造方法、設備の取り扱い、品質保証などについて、それぞれの実務に長けた人を選ぶことが大切です。さらに食品衛生に関する知識に長けた人を参加させる必要があります。
  • 手順2:製品説明書の作成
    衛生管理を行うにあたり、製品に関する情報をまとめた製品説明書を作成します。製品名称・原材料名称・添加物名称および使用量・包装形態・消費期限・保存方法はもちろん、製品の特性として関係してくる微生物や化学的な特性など安全性に関連する情報についても記載が必要です。
  • 手順3:意図する用途や想定される消費者の確認
    実際に製品がどのような用途で、どのような消費者に喫食されるのかをチェックします。仮に食品容器を製造しているような場合であっても、最終的にどのような内容物が入り、消費者がどのように使用するか(そのまま食べる、家庭で調理して食べるなど)を考慮します。また、老人や小さな子ども、妊婦など、用途や想定される消費者によっては、特別な管理が必要とされる場合もあります。
  • 手順4:フローダイアグラムの作成
    原材料の受け入れから製品を製造し、顧客(納品先)に引き渡すまでの全ての作業を「フローダイアグラム(製造工程一覧図)」にまとめます。
  • 手順5:フローダイアグラムに沿って現場で確認
    フローダイアグラムに沿った工程になっているかを現場で確認し、手順1のHACCPチーム全員でチェックします。

HACCPの7原則

前準備の5手順が終われば、次は7原則に進みます。7原則は次のように分けられます。

原則1~2:ハザード分析とCCPの設定
原則3~5:HACCPプランの策定
原則6:検証手順
原則7:文書と記録

  • 原則1(手順6):ハザード分析
    前述の手順4で作成したフローダイアグラムに基づいて、原材料と、受け入れから製品の引き渡しまでの全ての工程における、生物的・化学的・物理的に可能性があるハザード(危害要因)を明らかにします。またそれらのハザードについて、それぞれ重大性の程度を明確にし、重大なハザードが何かを特定します。

    ハザード(危害要因)分析とCCPの設定についてはこちらで詳細を解説していますので、ぜひご覧ください。
  • 原則2(手順7):CCPの設定
    手順6で明らかになった重大なハザードを、どこの工程で、どの程度まで制御するかを決定するステップです。制御には、ハザードを加熱で減らす、冷蔵で増やさない、などケースバイケースでさまざまです。実際にその制御を行う工程のことを、CCP(重要管理点)と呼びます。1つの工程だけではなく、複数の工程の組み合わせでハザードを制御することもあります。

    ハザード(危害要因)分析とCCPの設定についてはこちらで詳細を解説していますので、ぜひご覧ください。
  • 原則3(手順8):管理基準(許容限界)の設定
    ハザードを制御して食品の安全を保つための管理基準(許容限界)を設定します。管理基準は科学的な根拠に基づいた、定量的なもの(温度や時間、水分含量などの数値による基準)でなければなりません。
  • 原則4(手順9):モニタリング方法の設定
    工程が手順8で設定した管理基準を満たしていることを監視する(モニタリング)するために、最適な方法を設定します。温度や時間、水分含量などの数値を、誰が、いつ、どのくらいの頻度で、どのように監視するかなどを具体的に設定します。
  • 原則5(手順10):改善措置の設定
    モニタリングの結果、管理基準値を外れたことがわかった場合に、原因の特定方法や、工程の正常化や問題となった製品の排除方法など、問題の解決策を決めます。
  • 原則6(手順11):検証方法の設定
    手順7でCCPとした工程が手順8~10で定めた通りに行われているか、当初のプランが継続して適切に機能しているかなどを検証する方法を定めます。検証方法には、モニタリングの記録の確認や測定方法の精度の確認、管理基準値を外れた場合の処置が適切であるかどうかの確認、最終製品においてハザードが安全なレベルに収まっているかどうかの確認(例:製品の細菌検査)などがあります。
  • 原則7(手順12):文書化と記録の保持
    手順1~11までで策定した内容を文書化します。そして、文書に基づいて工程を管理した状況を記録として残すことが求められています。これらにより、間違いなくHACCPに基づく衛生管理を行った証拠になり、万一問題が発生した場合の原因究明に役立ちます。何を記録するか、どこに保管するか、誰が責任者かなどを明確にしておきます。

HACCPを取り入れることは、企業にとって対内的にも対外的にもさまざまなメリットがあります。

メリットを理解することで、前向きにHACCP導入に向けての準備を進めていけるでしょう。ここでは導入手順の概要とあわせて導入のメリットも解説します。

HACCP7原則12手順と従来の衛生管理の違い

衛生管理については、水準の差こそあれ従来からそれぞれの企業において実施されてきました。では、国際的な基準であるHACCP7原則12手順と従来の衛生管理とではどのような点が異なるのでしょうか?

従来の衛生管理が完成品などの抜き取り検査による監視で管理していたのに対し、HACCP7原則12手順では製造工程を管理する点が異なっています。

従来の方法では基準に満たない商品がチェックをすり抜けて市場に出てしまうリスクがありましたが、7原則12手順では工程の段階でリスクを大きく軽減することができ、細菌の発生や異物混入などを、効率的に防ぐことができます。基準値から外れた商品が見つかった場合の対応方法も従来の衛生管理とは異なります。
HACCPの場合、基準値から外れた製品が発生した場合の改善措置を手順10で明確化しているため、製品のロスや業務の中断による時間のロスを最小限に食い止めることが可能です。

まとめ

HACCPの7原則12手順を正しく適用することによって、安全な食品を製造できる体制が構築できます。7原則12手順を正しく理解して、ハザード分析を正確に行うことがHACCPの運用では特に重要です。
これからHACCPを導入する企業はもちろんですが、導入したものの効果が実感できていない企業や第三者機関による認証を受ける予定の企業なども、再度7原則12手順に対する理解を確認しておきたいところです。

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