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ISO審査登録・JIS製品認証・GHG排出量検証

日本検査キューエイ株式会社

JICQA NEWS巻頭言バックナンバー

JICQA NEWS 33号 巻頭言

新年度を迎えて

代表取締役社長
樋口 宗之

新しい年度に入りました。 昨年度は、リーマンショックからの回復と新政権の誕生とが重なり、大変な年だったと思います。皆様、心機一転、回復への道をより確実にするべく努められていることと思います。

審査会社であるJICQAにおいても例外でなく、その波を大きく被りました。ISO登録辞退数が300件を超えました。予測されたこととはいえ、あらため て日本経済の痛手が激しいことを知らされました。経済的理由による組織の廃止(倒産)とISO登録を中止される組織が全体の70%でした。特に、中小の建 設業の置かれている状況は、かなり厳しく、残念な結果となってしまいました。残り30%は、他機関への登録替えでした。その大半は非JAB外国系機関でし た。十分な審査をしていないのではないかと疑われている機関であります。一方、登録替えでJICQAに入っていただいた組織も予想以上に多くありました。 ありがたいことです。その理由は、JICQAのしっかりした審査を受けてみたいという方がほとんでした。勝手ですが、弊社への登録替えの入り(IN)を勝 ち。出(OUT)を負けとしますと、1昨年は1勝2敗の割合でした。昨年度は2勝3敗の割合でありましたので、まだまだ負け越してはいますが、勝率を持ち 直しつつあります。ISO認証制度を登録証取得だけを最終目的にするのではなく、組織の継続的改善を認証の目的にする本来のISO活動を求めている組織さ んがまだまだあるという表れであり、意を強くしている次第です。

景気の悪い時には、登録辞退が多くなるのは当然として、新規登録をなされた組織 が予想以上に多かったのは驚きでした。こんなに苦しい時期に何故ISOを取得なさろうとしたのか失礼ですがお聞きしたところ、「今まで忙しすぎて取得でき なかったが、生産は、半分以下になるし、バタバタしても仕方がないのでISOを取得して次につなげよう。」という経営者が大多数でした。私は、非常に嬉し く思いました。日本の企業の逞しさを見せていただきました。

1992年、JICQAは、日本のISO活動開始とほぼ同時に発足いたしました。 ISO登録認証を中心に第3者認証機関として、18年になります。お陰様で、皆様の絶大なご支援のもと順調に登録組織数を増やしてきました。鉄鋼を中心と するJIS製品認証数も500を超えました。常に、公平公正な、第3者認証機関として今後も努力し、社会的な期待に応えたいと考えています。

2020年までに温暖化ガス(GHG)の排出量を1990年比25%削減するという政府目標が議論されている中、東京都独自の削減対策がこの4月から実行 開始されました。GHGであるCO2の排出総量の削減義務と削減量の過不足分を売買できる排出量取引制度がスタートされたのです。こうしたキャップアンド トレード型の制度導入は、国内初です。CO2年間排出量が重油換算1500kl以上の約1400事業所が対象となります。さっそく、多くの事業所から検証 業務依頼がきています。対象は、ビル管理が多いのですが、その一つとして、本丸の東京都都庁舎の排出量検証業務を東京都から受託しました。現在検証業務を 行っています。東京都の検証をするということでありますので、これは、ちょっとした弊社の自慢です。

GHG削減のやり方(スキーム)は、国レベ ルでは試行という形ですが環境省、経産省主導ですでに数年前から始まっていました。 「環境省自主参加型国内排出量取引制度(JVETS)」、「国内クレ ジット制度(J-COM)」それに「試行排出量取引スキーム」などです。JICQAはいずれのスキームにも当初から参加してきました。

削減目 標、削減スキームをどのようにするのかをめぐっては、議論が尽きず、関係者が全てそれなりに納得するスキームは、まだ得られているとは言えないと思いま す。GHGは地球規模の問題ですが、国際的公平性となると更に難しくなります。まだまだ流動的ですが、いずれにしろGHG問題は、避けて通れない道であり ます。弊社は、先述しましたように第3者認証機関として排出量検証業務に携わるべく、準備してきました。
今まで、ISO審査第3部(ENS担当部)の審査員がGHGを担当してきましたが、東京都の開始を機に、GHG検証部として独立して業務に当たる体制にしました。

弊社のISO登録組織でGHG検証ニーズが生じた場合は、弊社が責任を持って迅速に対応させていただきたいと考えています。何なりとご相談に応じます。有 料及び無料セミナーも開催いたしております。今までの排出量を知って、対策案をあらかじめ準備しておこうとお考えの方には、JICQAプライベート認証を お勧めします。各種スキームに応じた検証をご希望に沿って実施いたします。

話は全く変わりますが、マネージメントシステムがパーフェクトに実施されている現物を観てきましたので、ご紹介いたします。

4月3、4日、諏訪大社上社の御柱祭りの鑑賞に行ってきました。上社で8本、下社で8本の大木(御神木)が山から切り出されます。一本一本担当地区が決 まっており、谷を超え、川を越えて神社にまで地区総出で運びます。その過程で有名な木落としがあるのです。祭りのハイライトであり、感動しました。数百人 が山から引っ張ってきた御神木をなかなか落としません。恐怖心を乗り越えるためなのでしょうか盛んに木遣隊や喇叭隊の鼓舞を受け精神的に絶頂に達するのを 待つのです。御神木に乗っている人だけでなく、引っ張っている地域の皆も、観ている私共もかなりハイになります。うまく落とすことと勇気を示すことに全力 を使います。最初は、地域や個人の競い合いと思いましたが、そうではありませんでした。地域の皆の昂揚が最高潮に達するまで全員が協力し、そして、地域の 団結を確認し合うのです。この祭りは、ご存知のように7年に一度の祭りです。7年とは、絶妙の間隔だと思いました。毎年では、御神木が採れなくなる(枯渇 する)でしょうがそういう問題ではなく、私は、祭りを通しての地区の文化の伝承の間隔だと思いました。もっと言えば、地域「社会力」の確認とその伝承であ るように思いました。2日間も見る機会がありましたので、祭りの細部まで見せてもらいました。最初は興奮していただけでしたが、地域の名誉と力を誇示する 祭りであるとわかってきました。彼らのきびきびした行動と誇らしげな態度をみるにつれ、この祭りは、細かい役割分担を始めとする周到な準備と当日の統制を とれた実行ができないと不可能な高度な行事(イベント)であるということに気がつきました。老壮青、自分の体力と経験、能力に合わせて各々の役割を果たし ているのが良くわかりました。非常に感動しました。諏訪地区の繁栄を末代まで伝承するための非常に良く考えられた祭りであると感心しました。

私は、JICQA審査員に今まで自分が得てきた技術、経験を生かして今まで御世話になってきた社会に少しでも還元(伝承)しょうと言っています。ISO審査を通してそれが社会(日本地区)のためになるとすれば、これほど嬉しいことはありません。

新年度が始まりました。今年も宜しくお願いいたします。

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