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お役立ち記事

ISO9001の理解や運用に役立つ 「序文 0章」の読み解き方

突然ですが、皆様はISO9001の序文 0章 を読まれたことはありますか?

ISO9001の認証を取得されている企業の方でも、読んでない方は案外多いのではないでしょうか?
ご承知のとおり、ISO9001をはじめとするマネジメントシステム規格は「10章立ての構成」で作られています。

まず「1章 適用範囲」、「2章 引用規格」、「3章 用語及び定義」、そこから4章以下の要求事項(具体的に取り組む事項)と続いていきます。
ISO規格をご覧になる場合、4章以降にある要求事項 から読みはじめることが多いと思います。
ただ、その前に4ページにわたってISO9001規格のベースとなる考え方などが「0章 序文」に示されています。

もちろん具体的な取り組み事項を確認することは大事ですが、実は序文にはISO規格に取組む際のヒントが多く記載されています。
そこで本稿ではISO9001の序文0章のうち「0.1 一般」、「0.2 品質マネジメントの原則」、「0.3プロセスアプローチ」について簡単に解説いたします。
少し時間を作ってお読みいただければ幸いです。

 

序文0章の構成

序文 0章は、0.1 一般、0.2 品質マネジメントの原則、0.3プロセスアプローチ、0.4 他のマネジメントシステム規格との関係 の4項で構成されています。
序文をお読みになる際は、0.1から順番通り読まれると良いでしょう。

 

序文 0.1一般

0.1 一般 では【この規格の狙い(期待される成果)】や【利用するうえでの注意点】が書かれています。注意点としては

  • 策定する文書類と規格書の章立ては一致させなくても良いこと
  • 規格の用語は無理に使用しなくても良いこと

などが書かれています。

一般的に「品質マニュアル」などの文書は「ISO9001の章立てと一致させて作成」「ISO9001の規格用語を使って作成」されるケースが多く見受けられます。
しかしながら序文0.1では、章立てと一致した文書作成は求めておらず、また規格用語の使用も求めておりません。
ですので「自分達で見やすく、使いやすく、理解しやすい文書」にしていただいて問題ありません。
例えば規格用語ではなく社内用語や業界用語などを使っていただいても結構です。
序文0.1一般を見ていただければ、少し肩の力を抜いて視野を広く持つことができると思います。

 

0.2 品質マネジメントの原則

0.2 品質マネジメントの原則 では、業務を管理するうえで必要となる7つの原則が示されています。

7つの原則

  1. 顧客重視
  2. リーダーシップ
  3. 人々の積極的参加
  4. プロセスアプローチ
  5. 改善
  6. 客観的事実に基づく意思決定
  7. 関係性管理

ISO9001の規格はこれらの原則をベースに作成されています。
この7原則は、“リーダーシップ”や“改善”などシンプルな文言だけが書かれており、意図していることが分かり難いかもしれません。
しかし、いずれも規格本文や規格書のうしろにある付属書,解説 等を読むとナルホドと思える内容です。

例えば、“⑤改善”は「仕事の成果向上に繋がるような仕組みの“改善”」など、自社に合わせて自分なりに解説を加えた文言に直し理解されると良いと思います。

また、“⑦関係性管理” も少し分かり難い文言ですね。
以前のISO9001;2008(ISO9004)では、“供給者との互恵関係”と書かれていましたが、もっと広く捉えることを期待して文言の見直しがされたようです。
つまり「現時点で取引がある購買先(供給者)」だけではなく「将来(若しくは過去)の購買先を含め、Win-Win の良い関係を維持しましょう」という意味に理解されるとよいと思います。
(原文“relationship management” の方がニュアンスは掴みやすいかもしれません)

ISO9001の一つ一つの要求事項の中には「7つの原則」の要素が散りばめられています。
序文0.2を見ていただければ「ISO9001の一つ一つの要求事項が何を意図して要求しているのか」を理解しやすく、取組みやすくなるかもしれません。

 

序文0.3 プロセスアプローチ

ISO9000(基本及び用語)では、プロセスとは
「インプットを使用して意図した結果を生み出す、相互に関連する又は相互に作用する一連の活動」
と定義されています。
しかしこの「定義」を読んでスッと理解できる方はあまりいらっしゃらないと思います。

要は「プロセス」とは会社などにおける【付加価値を生み出す活動の単位】との解釈で良いと思います。

例えばスタッフの技量を上げれば製品やサービスの質(付加価値)が高められるでしょう。(=教育訓練プロセス)
また製品の設計、サービスの企画の質が高められれば価格競争力も高められるでしょう。(=設計開発プロセス)
このように「プロセス」とは「付加価値を生み出す活動単位」とお考えいただければと思います。

そして【会社などの組織にあるプロセス”の相互関係を管理し、精度を高めること(部分最適の追及)】が、【システムの強化につながる(全体最適への展開)】ということが、この項ではヒントを盛り込んだ内容で書かれています。

そして、同じ0.3 の中に、P-D-C-Aサイクルについての解説もモデルと併せて記されています。

PDCAサイクルを使ったこの規格の構造の説明

このモデルの中にカッコ書きされている数字は、4章以降の規格要求事項の章番号です。
規格書の本文は活字ばかりで読み難いと感じる方は、このモデルを横目で見ながら読まれると、イメージしやすくなると思います。
また「0.3.3リスクに基づく考え方」では、【好ましくない状況が発生することに対する未然防止に役立つこと】などが書かれています。


序文を読んだ後で、改めて4章以降の要求事項を読まれるとナルホドと膝を打つような理解の助け、再発見があるかもしれません。
ISO9001の規格書を読まれる際は、4章以降の要求事項のみならず、ぜひ序文も読んでみてください。

日本検査キューエイ(JICQA)の特徴

  • 日本で最初に設立された審査機関(1992年10月)。30年、9000件近くの審査登録実績
  • 国内企業のニーズにお応えすべく多種多様な規格へ対応
  • 国内審査機関の中で有数の社員審査員数(約150名)
  • 企業の改善に寄り添えるよう6年間同一の審査チームリーダーが担当
  • アフターフォローに注力(毎月のニュースレター/年2回の機関誌(運用事例・最新情報・法令改正情報等)/全国4か所に事務所/無料セミナー・有料セミナー開催、等)
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