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日本検査キューエイ株式会社

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お役立ち記事

ISO9001は経営の役に立っていますか?

せっかく苦労して導入し、認証取得したISO9001。
「取得してよかった!」と思いたいですよね。

ですが実際には「ISO9001は今では無くてはならない存在!」という組織がある一方で、「たいして役に立っていないし、むしろ維持が大変…」といった声も聞こえます。
この違いは、ISO9001が「日々の事業活動とISOが一体になっているか、それとも別々になっているか」の違いによるところが大きいでしょう。

そこで、事業活動の戦略検討の際に使われる代表的なフレームワーク(分析・思考の”型”)に、ISO9001の要求事項を当てはめてみながら、「ISOと事業活動の一体化」について考えてみましょう。

 

貴社(組織)にとってISO9001の位置付けは?

ISOマネジメントシステムの認証制度がわが国に導入されて約30年。
これまで数多くの組織が代表的な規格であるISO9001の認証を取得されてきました。

規格の意図を十分理解し、有効にPDCAを回し事業的成果に結び付けておられる組織(企業)が多くいらっしゃいます。
一方、書類整備や審査対応などの負担が事業活動の妨げとなり、取引先の要請等がなければ本当は辞めたい!と考えておられる組織(企業)様も残念ながらいらっしゃいます。

同じ規格に取り組んでいるのにこの違いは何故起こるのでしょうか。
そして貴社はどちらに該当していらっしゃるでしょうか?

 

そもそもISO9001とは?その目指すところは?

ISO9001は「品質マネジメントシステム」の名の通り、
【優れた品質の製品やサービスを一貫して提供し顧客満足の向上を図ること】を目的にしています。

国や業種・形態、規模、製品・サービスを問わず、数多くの組織の経験・知見を基に
「どのような仕組みで、どのように仕事を行い、どのように製品やサービスを提供すれば良いか」を集約して生み出された規格です。

そして、優れた品質の製品・サービスを提供し続け顧客満足が向上すれば、事業活動においても期待通りの成果につながることが期待できます。

またISO9001は事業プロセスとの関係について、【ISO規格が求めていること】と【本来の事業活動】は別々ではなく、【ISO9001の要求内容を本来の事業プロセスの中に組み込むこと】を求めています。
(要求事項5.1.1 c)「組織の事業プロセスへの品質マネジメントシステム要求事項の統合を確実にする」にも示しています)

「ISOのためのISO」にせず、有効な活動として経営に役立てることが重要です。

そのためには、如何に「【事業プロセス】に【規格が求めていること】を落とし込むか」「日々の事業活動の中で一体的に運用することができるか」が【成功のための重要なポイント】です。

 

事例 ~ ISO9001と競争戦略

とはいえ「組織の事業プロセスへの品質マネジメントシステム要求事項の統合を確実にする」というISOの規格用語を含む難解な日本語に、難しそうなイメージを持たれる方も多いと思います。

ここで一つ、皆様の事業活動をイメージしていただきたいのですが、【皆様の日々の事業活動はそのまま規格要求事項への取り組みとイコールになっていること】が多くあります。

例えばISO9001の「8.2 製品及びサービスの要求事項」では
「製品・サービスに関する情報」
「取引方法」
「品質異常や在庫切れなどの不測の事態への対応方法」
などの顧客とのコミュニケーションを適切に行うことを求めています。

また、
「約束する前に製品・サービスを提供可能か確認すること」
「仕様や内容、要望などの変更があったら関係する文書・記録の変更や関係者への周知」
などを求めています。

これらは皆様の日々の事業活動、特に【営業段階】の中で行っていらっしゃることと思います。
「8.2 製品及びサービスの要求事項」を見てもわかる通り、【「日々の事業活動」と「ISO9001の要求内容」は密接に関連しているもの】なのです。

ここでもう一つの例として、事業活動を展開するにあたって【競争戦略を検討する場面】を考えてみましょう。
競争戦略検討における代表的なフレームワークとして「ファイブフォース分析」と「バリューチェーン」を取り上げます。いずれもアメリカの著名な経営学者であるマイケル・E・ポーター教授が提唱したものです。(経営者の方はもちろんマーケティングご担当の方などご存じの方も多いのではないかと思います)

ではまずファイブフォース分析について見てみましょう。

ファイブフォース分析
ファイブフォース分析

ファイブフォース分析では、「既存業者間の敵対関係」「売り手の交渉力」「買い手の交渉力」「新規参入の脅威」「代替品・サービスの脅威」といった、競争関係に影響を及ぼす5つの力(要因)を分析します。
それにより、業界の競争構造や自社の強みや弱みを明らかにしていくものです。

ファイブフォース分析では、【自社の外部、内部の課題を明確にする分析】を行いますが、ISO9001でも「4.1 組織及びその状況の理解」で同様に自社の課題把握を求めています。

また【売り手の交渉力や買い手の交渉力の分析】を行いますが、ISO9001でも「4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解」で自社の課題把握を求めています。

そしてファイブフォース分析では、これらを通じて【何に取組むべきかを決定する】ことになりますが、ISO9001では「6.1 リスク及び機会への取組み」で取り組む事柄を決めることを求めています。

ファイブフォース分析

このようにISO9001はファイブフォース分析と同様に、【「業界分析」「自社の分析」「方向性や取り組み事項の決定」といった事業活動において欠かせない分析を求めている】のです。

続いてバリューチェーンについて考えてみましょう。

バリューチェーン

バリューチェーンは企業の活動を【5つの主活動(プロセス)】と【4つの支援活動(プロセス)】に分類します。

「マージン(付加価値)を生み出すための強みとなる高付加価値なプロセスは何か」
「課題である低付加価値なプロセスは何でどのように強化(又は削除・単純化・アウトソーシング)すべきか」
などを分析するためのツールです。

一方、ISO9001規格では「4.4 品質マネジメントシステム及びそのプロセス」において「必要なプロセスを含む品質マネジメントシステム(仕事の仕組み)を形作ること」を求めており相通じる部分です。

そして個々の活動(プロセス)は主に以下のようにISO9001規格要求事項に関連しています。

主活動
  • 購買物流:「8.4 外部から提供されるプロセス、製品及びサービスの管理」
  •  製造 :「8.5.1 製造及びサービス提供の管理」
  • 出荷物流:「8.5.4 保存」
  • 販売・マーケ:「8.2 製品及びサービスに関する要求事項」
  • サービス:「8.5.5 引渡後の活動」
支援活動
  • 全般管理:「7.1.3 インフラストラクチャ」「7.1.4 プロセスの運用に関する環境」
  • 人事労務:「7.1.2 人々」「7.2 力量」
  • 技術開発:「8.3 製品及びサービスの設計・開発」
  • 調達活動:「8.4 外部から提供されるプロセス、製品及びサービスの管理」

これらの活動から生み出される【マージン(付加価値)は「顧客の期待に応えること」を通じて実現するもの】です。ISO9001では「5.1.2 顧客重視」「9.1.2 顧客満足」に大きく関連します。

バリューチェーン

このようにISO9001は、「ファイブフォース分析」や「バリューチェーン」といった分析に通ずる、【事業活動において欠かせない分析やマネジメントシステム構築・運用を求めている】のです。

 

まとめ ~ 最強の経営ツールとしてISO9001 の活用を

ISO9001の規格要求事項と事業プロセスは経営において不可分ともいえるものです。
ISO9001は、「〇〇をしなさい」という要求はしていますが、「どのようにするか」はそれぞれの組織のやり方に委ねられています。
それぞれの組織にとって【真に有効な事業プロセスを構築・運用すること】ができれば、結果として多くの規格要求事項に応えることにもつながります。

今回は一例として競争戦略との関連性について考えてみました。
その他にも日々皆さんが活用されている経営のルールやフレームワークが、どのように規格要求事項に関連しているかを皆さん自身で考えていただければと思います。
そうすればISO9001を身近に感じ取組みへのモチベーションがぐっと高まるかもしれません。

冒頭でも述べましたが、ISO9001は世界各国のあらゆる業種・形態、規模、又は提供する製品・サービスを問わず、数多くの組織の経験・知見を集約して生み出された規格です。
この最強の経営ツールとも言えるISO9001を是非とことん使いこなして、貴社の持続的な成長を確かなものとしてください。

日本検査キューエイ㈱に関する情報・特色

  • 日本で最初に設立された審査機関(1992年10月)。30年、9000件近くの審査登録実績
  • 国内企業のニーズにお応えすべく多種多様な規格へ対応
  • 国内審査機関の中で有数の社員審査員数(約150名)
  • 企業の改善に寄り添えるよう6年間同一の審査チームリーダーが担当
  • アフターフォローに注力(毎月のニュースレター/年2回の機関誌(運用事例・最新情報・法令改正情報等)/全国4か所に事務所/無料セミナー・有料セミナー開催、等)
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