代表取締役社長
川﨑 博史

足元、新型コロナウイルス感染症の脅威が収まらず、日本だけでなく世界中で大きな混乱が継続しています。あの東日本大震災の時と同じように、今回のコロナ禍により、ある日突然今まで当たり前と思っていた日常が突如として失われてしまい、失われて初めて今まで気付かなかった「当たり前の日常」のありがたさを痛感して、半ば呆然とした状態が今なお継続しているのではないでしょうか。

しかしながらコロナ禍に陥って半年あまり経過し、何となくいろいろな様子が見えてくると、現在私たちが感じている日常生活での数々の問題や、不自由さ、社会の理不尽なしくみ、例えば国内で言えば経済の停滞や格差の問題、国際的には大国間の対立の激化等々、かつては将来の事と高を括っていた課題が実はこのコロナ禍によって急速に前倒して顕在化してきてしまったのではないかと言われています。これらは、昨今の急速な社会情勢や産業構造、労働環境の変化に、従来のしくみや体質、世の中の形そのものが既に追随できなくなってきていて、それがここにきてコロナによって一気に噴き出してきたと言えるのではないでしょうか。

そういった意味で我々が扱っているISO認証は、このような急激な変化に伴って顕在化するリスクにいかに普段から備えておくか、そしてひとたび事が起こった時には、いかにそのリスクに迅速に対応していくか、今回のパンデミックのような100年に一度とも言われるような大いなる脅威も含めて、そういった事態に対してのソリューションを与えてくれる有効なツールであると認識しております。

我々が生きている今の時代は、まさにいつ何時、何が起こっても不思議でないような混沌とした時代であり、ある意味これが我々にとってのニューノーマル（新常態）なのではないでしょうか。

一方、今回のコロナ禍は、人間社会で最も重要であり、必要である人と人との接触が極端に制限されます。これによって人々は何となく日々の生活に不満と共に不安を感じ、これが現在私たちが感じる最大の問題なのだと思います。不便だからこそ、不自由だからこそ、人々の人の温かみや、物事の本質、自らにとって真に大切と思えるもののありがたみを今まで以上に感じるようになり、まさにモノやお金など目に見える物だけではない、本来目には見えないけれども欠くことのできない人と人との繋がりやより信頼できる確かなもの等に対して改めて大いなる価値を感じるようになってきているのではないでしょうか。まさに人間の価値観の劇的な変化だと思います。

JICQAではこういった変化の激しい時代、更には新しい時代の、新しい仕事や生活様式に対応すべく、極力組織の皆様に寄り添った審査をご提供して参ります。JICQAは独自のアイデンティティーを追求し、「品格、信頼、真心」をモットーとした質の高いISO審査、より信頼できる確かな「信用」と言うものを提供していくことを通して皆様の事業経営に少しでもお役に立つことを願っております。目下、私共JICQAではこういったニューノーマル（新常態）な社会様式に対応するべく、ISO審査に関してはリモートでの審査の実践、また内部監査に関しましてもリモート内部監査の公開セミナー等を具体的にお客様への提供をスタートしております。そして何よりも会社一丸となって、審査を通してより信頼できる確かなものをかたちとして提供していけることを常に心掛けて参りたいと考えております。