代表取締役社長
川﨑 博史

　2017年がスタートして早３か月、今年は年初より「不透明な年」とされ、実際何が起こるか予想のつかない年と言われています。米国のトランプ大統領就任を初め欧州の大型選挙等があったり、国内でも衆議院選挙が噂される等、また気候変動含む天変地異に関しても、不安定な状況が継続している年と言え、まさに世の中全体、いつ何が起こっても不思議ではない時代となってきたように感じます。

　一方ＪＩＣＱＡにとりましては、お陰様で今年はいよいよ創立25周年を迎える節目の年となります。足下、ＩＳＯ認証業界を取り巻く環境は一段と厳しさを増している状況にはありますが、創立以来諸先輩の御尽力並びに何よりも志高く質の高いお客様に支えられ、何とかここまでやって参ることができ感謝に堪えません。これからもＩＳＯ認証事業を通して日本の企業活動の発展に微力ながらも少しでも貢献できるよう、まさに心機一転、認識を新たに、新しい四半世紀のスタートを切りたいと思います。

　歴史的に当社は製造業主体の認証機関のイメージが強く、確かに生まれが鉄鋼業界をベースに設立されたことに起因するものでありますが、以降、製造業も鉄中心から広くモノ造りに手を広げて来ております。更にその後は製造業のみならずサービス業にも業容拡大し、物流業界、商社・銀行、会計事務所、最近では医療・介護と言ったおおよそ設立当初では思いもよらなかった分野にもサービスを拡大してきております。

　またその間他認証機関との３度の合従連衡により、対応分野や審査レパートリーの拡大も果たして参りました。そして今回、今年１月より（株）トーマツ審査評価機構殿からのＩＳＯ認証事業の移管受けにより、広範な審査サービスを提供できる総合認証機関として新たなスタートを切るに至っております。そもそも今回の事業移管に関しましては、2006年の（株）ＫＰＭＧ審査登録機構殿（あずさ監査法人の子会社）の事業統合の実績を先方より高く御評価頂いたことによるものであり、これによりもともと日本の４大監査法人（新日本、トーマツ、あずさ、あらた）のＩＳＯ認証事業を有する２社のすべてのＩＳＯ認証事業がＪＩＣＱＡに統合されたことになります。まさに当社は日本の大手監査法人の息の掛かったＩＳＯ認証ノウハウ、審査人材、顧客のすべてを受け継いだ日本における唯一の審査機関となったということになるわけです。もとより当社は、比較的難易度が高いとされるＩＡＴＦ（ＴＳ）規格やＡＳ－ＱＭＳ規格等の各種セクター規格、ＧＨＧ検証業務、ＪＩＳ製品認証、カスタマイズ監査等幅広い分野の認証サービスを手掛けて来ておりますが、今回の統合により更に盤石な体質強化が図られたと思います。

　以上を踏まえて、今年のＪＩＣＱＡの事業方針スローガンは、「和と力！！　目指そう総合力ナンバーワンの審査機関」と致しました。名実共にあらゆる分野に精通した、他機関の追随を許さぬ圧倒的な総合力を有する審査機関となりたい、という思いを持って日々の審査業務に邁進したいと考えております。統合しただけでは何も始まらず、これからは融合を図って参らねばなりません。そしてその場合、基本は「人」であり、働き甲斐のある会社、頑張れば頑張っただけ報いられる、人が成長している会社、女性が輝いている会社、生き生きと明るく楽しい会社を創ることに、社員ひとりひとりの「和と力」を結集していきたいと考えます。従前にも増しての皆様のご支援とご愛顧の程よろしくお願い申し上げます。