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JICQA NEWS 45号 巻頭言
JICQAの「形」を創る
代表取締役社長
川﨑博史
今年もスタートして早3カ月が経ちました。2016年のJICQAのスローガンは『創ろう新しいJICQAの「形」と「未来」を!!』と致しました。
今年は日本の「形」を明確にする時である、と言われています。一般的に経済のあり方は「モノ造り立国」、「資源立国」、「金融立国」に大別され、日本の選択すべきは「モノ造り立国」となるでしょう。依然としてモノ造りは世界に誇る日本の強みであり、更なる深化を通じた「新たなモノ造り立国」が求められています。
国と同じように会社にも「形」があります。JICQAの「形」はどのような「形」なのでしょうか。私はJICQAの審査のアイデンティティーを創り上げたいと考えています。折しも、昨年改訂されたQMS、EMSの2015年度版に対応した新しい審査手法の構築が急がれています。まずはJICQAの商品である審査の「形」を創り上げる必要があると考えています。
今回の規格改訂は、極めて本質的で、ISOを企業経営の根幹に位置付けるといった、本来のISOのあり方を実践し、ひとつの経営ツールとしても今後大きく発展する礎となり得ると思います。経営者のリーダーシップを強化し、利害関係者のニーズに基づいて意図した成果を出すべく業務を遂行する。その上で、あくまでもパーフォーマンスに拘りつつ、リスクと機会を考慮してPDCAを廻す。非常に理に叶ったものと言えます。
規格自体の改訂に伴い、当然のことながら審査手法は変わります。上記種々の本質的な改訂を考慮してこれを立証するべく、より積極的な「プロセスアプローチ」を取り入れた審査が先進的かつ斬新なものになると期待します。しかし、これはなかなか口で言うほど容易いことではないかもしれません。
私自身は、そこにこそJICQAの審査のアイデンティティーがあるものと思い、これが実践できて初めて我々が目指すべき、真に「経営に役立つ審査」が実現できるのではないかと考えています。
JICQAは民間の審査機関としては最も歴史の古い、いわば審査機関の老舗です。JICQAの審査は「誠実」、「真面目」、「厳格」な審査をモットーに、長きに亘り質の高いお客様の信頼を勝ち得てきたと自負しています。そのため、昨今台頭してきている「低価格審査機関」とも一線を隔してきたわけです。ここでもう一度初心に戻って、先述のISOの思想をベースとして、新しい規格と新しい時代に即した審査の「形」を構築したいと考えます。その時には、審査の「本家・本流、本物」を維持しながら、JICQAの得意とする現場・現物を重視した、厳格かつ緻密で伝統的な審査スタイルを基本としつつ、一方で経営者の意向に沿った柔軟性も具備して、的を突いた審査ができる手法が出来上がるのだと思います。そしてこの言葉の一つ一つに実体と魂を植え付けていくことが、真にJICQAの質の高い「審査の形」を創ることに繋がるのだと考えます。
この4月から、長期にわたり、社外に委託していた「総務・経理業務」と「公開研修業務」を自社内に取り込みます。会社運営の組織機能を統合・再編することで、より効率的かつ戦略的な業務が遂行できる体制を整えます。これによって新しいJICQAの組織・機能面での「形」を創り上げたいと思います。
人間何をやるのもまずは「形」から、とよく言われます。「形」無しでは国も会社も成り立ちえません。今回良い機会が巡って来ていると思います。これをチャンスと受け止め前向きに、新しいJICQAの「会社の形」を創ることにより、広く組織の皆様方に貢献できる会社に生まれ変わってまいりたいと思います。引き続きご理解とご支援の程をよろしくお願い申し上げます。