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日本検査キューエイ株式会社

JICQA NEWS巻頭言バックナンバー

JICQA NEWS 42号 巻頭言

「話すこと」について

代表取締役社長
髙﨑 誠

JICQA-NEWS Vol.40では「書くこと」について、VOL.41では「聞くこと」について、と続けてきましたので、VOL.42ではシリーズ最終版として「話すこと」について書きます。

審査そのものが対話によって成り立っているため審査員の能力の一つとして「話すこと」が重要であることは言うまでもありませんが、「書くこと」、「聞く こと」に比べると「話すこと」の位置づけは若干、後退することになるかもしれません。審査員は組織のマネジメントシステムが規格に適合し、いかに、経営に 生かされているかを審査するのが仕事ですから、そこでは組織が審査員の質問に回答しやすい様に話すことが重要になってきます。すなわち、審査において話す 際には対話の口火を切ってスムーズに審査に入り、終了時には審査の結論をわかりやすく説明することが重要になってきます。

「話すこと」の第1番目のポイントは「ライブ性がある」ことだと思います。審査における質問は「メモ」を読みあげながらではなく、会話の中でスムーズに 行う必要があります。「メモ」を読みながら質問すると会話に自由度がなくなり、本音を聞き出しにくくなり、通り一遍の回答になってしまう可能性がありま す。型にはまらない質問によって、会話が生き生きとして、その結果、組織の思わぬ側面を感じ取ることができます。

2番目のポイントとして、質問は簡潔明瞭に行います。そのためにはものの本には質問時間は15秒程度が最も良いと書かれています。適切な質問をすべきと ころを、審査員の知識と経験を披歴するために、延々と大演説をしてしまい、受審組織様が審査員は何を質問しているのかさっぱりわからないという状態は厳禁 です。

3番目として、コミュニケーションにおいては「私」を忘れて無心の状態で臨むのがベストだそうです。これは、脳科学者である茂木健一郎が「脳を生かす伝 え方、聞き方」という本で書いておられることです。話しているときはブローカ野の運動性言語野(運動系学習の回路)が働き、聞いているときはウエルニッケ 野の感覚性運動野(感覚系学習の回路)が働きます。この2つの領域は直接つながっておらず、一人の人間が他者とコミュニケーションするためには聞くことに より感覚系学習の回路を通じて相手の情報を取り込み、次に、運動系学習回路を通して相手に自分の意見を話すという情報出力を行う必要がある。他者とのコ ミュニケーションにおいては脳の中で感覚系と運動系を同時に働かせてバランスをとる必要がある。一方、脳は「私」を意識しすぎるとその機能は低下するとい う特徴があるそうです。

すなわち、上記した2つの脳の機能を十分に発揮させるためには「私」を忘れて無心の状態にすることが必要であるとのことです。

「話すこと」を審査員の場面に当てはめて書きましたが、営業マン、スタッフにおいても、プレゼンテーション能力が備わった「話す力」が必要なことは言う までもありません。「話す力」の基本は相手に理解していただけること、簡潔に正しく伝えることであり、審査員の「話す力」と同じ資質が求められていると思 います。

最後に、仏教のお坊さん、キリスト教の神父さん・牧師さんのような伝道者の鉄則は、「きけ、かけ、かたれ」と言われており、漢字で書くと「聞け、書け、 語れ」となります。ISO審査員は「ISOの伝道者」と言えるのではないかと思います。この場合の鉄則も同じで、「きけ、かけ、かたれ」が重要な要素であ ることを改めて確信しています。

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